春を迎えて思うこと

長い冬が終わり、ようやくあたたかい春がやってきました!

こんなにも春の訪れが恋しくなったのは移住してから。

毎日春の陽気を満喫しているところです。


ところで古民家暮らしの「良い所」って何だと思いますか?

私が明らかにこれは良い!と言えるのは、

・夏涼しい(日中はそれなりに暑いですが家の中、特に土間は涼しい)※時には家の中が暑くなることもあります。

・科学的な建剤を使用していないので「シックハウス症候群」等の心配がない。

これくらいでしょうか。

特に土間が涼しいとありますが、これも善し悪しで梅雨時のジメジメした時期には土間の冷たさのおかげ(せい?)で空気中の水蒸気が一斉に結露となり土間が水をまいたかのようにビシャビシャになってしまいます。おかげで梅雨時は猛カビとの戦いです。

それでも長い暑い夏の間夕方にもなれば家の中がスーっと涼しくなってくれるのは快適です。朝方なんて少し肌寒いくらい。まさに「家の作りやうは、夏を旨とすべし」をそのまま再現したような感じです。

シックハウスに関しては最近は一般住宅も建剤には気を遣っているので、もはや古民家の特性とはいえないかもですね。となると「夏涼しい」だけですね。。。


では逆に「悪い所」ってなんだろう。。。

・隙間だらけで虫がやたら入ってくる(蚊・蛾類・ムカデ・バッタ・カメムシ等々沢山)

・そもそも家の中に虫が暮らしている(主にクモ)

・隙あらば小動物が侵入してくる(アナグマ・ハクビシンなど)

・家の中がすぐホコリっぽくなる

・なんでもすぐカビる

・段差が大きい(アンチバリアフリー)

・冬やたら寒い

・暖房が効きづらい

・冬場の薪風呂焚きが大変(わかすのに約2時間かかります)

等々上げればきりがないくらいあると思います。

家中の隙間は根気よく埋めてきたので、移住当初からすれば大分虫や動物の侵入は防げていると感じます。それでも一般の住宅と比べれば多いし夏に蚊帳無しで寝るのは考えられないくらいです。家の中に住んでいるクモは「慣れる」ことで克服しました。

ホコリっぽいとかカビも物の保管方法を考えたりすればなんとかなるかなぁ。。。

段差は仕方ないのでステップを作って対応。

ここまではいいのですが。。。



冬寒いのはいかんともし難い!

寒いですほんと。

外気温は真冬で下がってもマイナス5〜6℃くらいなのですが、

家の中が温かくなりづらいので体感がやたら寒い。

各居室の気密性も断熱性も無いようなもので、特に居間は隙間がスカスカ。

最初の2年間は最も寒い1月には暖房しても居間は17℃くらいまでにしか温まりませんでした。

寝室は天井が低いのでまだましで、障子前にカーテン張って布団に入るまでストーブで部屋を温めれば20℃以上にはなります。が、布団に入ってストーブ消すと朝には吐く息が白くて布団から出られない・・・

朝方には家の中が外気+5℃くらいまで下がるから、酷い時は家の中のものが凍ります。

薪風呂に2時間も薪をくべるの大変ですよ。毎日なんてとても無理。薪の消費量も多いし。

とにかく寒い。。。

寒いのが苦手な嫁は実は今年始めて真冬の我が家を過ごしました。

1年目は出産を控えて11月から入院→3月退院

2年目は年末から2月頭まで子ども連れて東京へ避難(私ときなこ(猫)は年明けてすぐ戻りました)

料理する土間なんて超超寒いのに愚痴一つ言わず良く頑張ってくれました。


ほんと11月下旬から3月初旬までの4ヶ月ちょっとの間はひたすら耐え忍ぶ辛い時期なんです。


でもです。

古民家暮らしを語るならこの寒い冬としっかり向き合わないといけないんです。

冬を無視した「古民家暮らしって快適!」みたいなのはあり得ないです。

「古民家暮らしって超大変!でも楽しい!」が本当だと思います。

冬と向き合って頭使って対策し、年々少しずつ快適になってくることを楽しめない人は

古民家暮らしは無理かなぁと思います。

でもね、そういう人が多いのは当然だと思いますよ。

だって私は冬過ごすと「文明ってすごいなぁ」と思いますもん。

少しでも快適に暮らせるように人々が知恵を絞って技術革新を繰り返して

現代の住宅があるんですから。エネルギー消費云々のことは置いておいて

皆快適に暮らしたいから現代の技術が発展したんだなぁと。

冬を迎えるとそちらへの感謝の気持ちが大きくなります。

「薪風呂いいですね」と言う方に

「夏は30分で沸きますが毎日沸かして、冬は2時間かかりますが1〜2日おきに沸かさないといけないんですよ、ボタンピッて押せば風呂が沸く方が良いに決まってますよ」

と言ってあげたい。すごいことなんですよと。

たまに実家に帰って風呂に入ると「絶対こっちの方がいい」と思います(笑)

床暖房のフローリングでゴロゴロして「ああ、あったけーいいなぁ」って感じます。


古民家(田舎)暮らし体験とか良くありますが、春、夏、秋にやるのは楽しいし、快適なのはあたり前すぎるので、できれば冬にやってもらいたい。時間のかかる風呂焚きや寒い夜を震えて過ごしてもらいたい。古民家の大変なところを知ってもらいたい。

そしてまずは現在の文明のある暮らしに感謝の気持ちを持ってもらいたいです。

その上でそれでも私達のように不便な田舎暮らしをする意味を考えてもらえたらいいなと私は思います。


この冬も前年と比べれば色々対策を施し、大分快適になったと感じました。

まだ冬を楽しめるほどではないですけれど。

でもあと何年かで冬が待ち遠しくなるくらい楽しめるようになってやろうと企んでいます。

4ヶ月って1年の3分の1ですしね。もったいない。


でもやっぱり春はいいなぁ(笑)

田舎暮らしは大変ですが楽しいです。

静岡で田舎暮らし

2013年に東京から静岡の中山間に移住した家族の日記です。 移住を決めたいきさつから、田舎暮らしのあんなことこんなこと、日々の徒然を書き留めていきます。

0コメント

  • 1000 / 1000